防衛戦

これは漢たちの戦いの記録である。

ちっちゃいオッサンとの邂逅(かいこう)を果たしたcorestrike。
オッサンのあまりの許容量の大きさに開いた口がふさがらなかった。
しかし、時間は待ってはくれない。
オッサンは更なる攻勢に出てきたのであった。
この侵攻作戦を防ぎきることが果たしてできるのであろうか?
corestrikeは軍手という名の銃を片手に再び戦場へと身を躍らせたのであった……


AM5:45
仕事はもう何もなかった。
いつものようにバイト仲間であるマッパとオレは食堂でグダグダしていた。
戦士には休息も必要なのだ。
正直、今日はゼミがあるので体力を温存させておきたかったのだ。
すると、そこに現れたのがちっちゃいオッサン。

「下に来いって、係りの人が言ってる」

なぜタメ口だ。
なぜちょっとうれしそうな顔してんだ。
しかし、仕事だ。
発着の仕事は、3時45分の到着便を最後にあとは発車しか存在しない。
そんなものは局員が一人でも出来る仕事だ。
多分、あれだろう。
オッサンは今年が初めてなので、仕事の内容を教えようと局員が気を利かせたのだろう。
まぁ、それならば仕方がない。
それくらいなら大して疲れないし、オレたちはすでに覚えてることなんで、オッサンのことを(余計なことしないように)監視してれば良いだけだけだしな。
そんな訳でオレとバイト仲間戦友・マッパは発着場戦場に急いだ。

あれ?
発着にオッサンがいないぞ?
オッサンは通常(普通の郵便物)がたくさん入ったパレット(郵便物等が入ってるおっきな2段式のかご)を引っ張ってる。
うん?
ま、まさか……

局員「これ(通常)を仕分けしてくれ」

なに仕事増やしてんだよ!

ふざけるなよ、オッサン。
多分、あまりに暇だったから局員の眼に止まるところをウロウロしていたのだろう。
バカが!
大人しく休憩室で打ち揚げられた魚のマネでもしていればよかったものを。
戦友はマジギレしてるんすけど。
パレット(鉄製の巨大なかご)をガンガン蹴ってるんですけど。

TA SU KE TE...

オレはそこまでキレてなかったけど、
気づかないうちに“おまいら死ね死ねソング”を口ずさんでいた。
オレはイライラが頂点に達すると上記の“おまいら死ね死ねソング”を詠い始める。
その歌詞の内容は酷い。
男をバカにしてる女をデブメガネオタクの精液でビショビショにしてやるとかって言う類の内容だ。
オレにとってのガンパレード・マーチ(行軍歌)だ
……そんなことはどうでも良い。
オレはある悪戯を考えていたのだ。
いや、正当なる復讐を考えていたのだ。
ちっちゃいオッサンにギャフンと言わせてやるために。
波動砲の充填はすでに完了している。
オレはパレットに新たな仕分け郵便物を取りに行く。
もちろん、視界の隅にターゲットとなるオッサンは確認している。
オッサンが新たな郵便物を補充しにやってくる。
郵便物を手に取るためにしゃがむオッサン。
オレはその機を逃さなかった。
すかさず立ち上がり、おっさんに背を向ける。

ぷ〜す〜

オッサンの顔面にオレの攻撃が炸裂する。
オレはニヤリと笑みを浮かべ、郵便物の仕分けに戻る。
誰にも気付かれてはいない。
無論、戦友にも。

ミッション・コンプリート

これはちっちゃいオッサンと死闘を演じる漢たちの記録である。