【SEGA MEGA-CD版】 シャドウラン レビュー③
うひょ〜、「アサシン クリード リベレーション」が発売されたぜぇ〜。
だのに、私というもののメガCDにて発売された「最強最後のMEGA-CD RPG シャドウラン」*1のレビュー記事なんて書いております。
なんの拷問なんでしょうか。
さて、今回でこのレビュー記事もラストとなります。
元気にやっていきたいと思いますので、最後までお楽しみいただければと思います。
○システム
最後の最後にきてようやく本作のシステムにメスを入れていきたいと思います。
1.RPG?Not RPG!This is SaikyouSaigo-No-RPG!
最初から太字で書いて参りましたが、このゲームは「最強最後のMEGA-CD RPG」です。*2
ただのテキストアドベンチャーとか言わない。
第1回でも書きましたが、基本的な情報収集はこのようにアドベンチャー形式で進行します。
と言っても、ドアを開けたらナイフが飛んできてゲームオーバー*3とか、ヤスが犯人だったり*4とか、せっかくだから赤の扉を選ぶぜ*5とかそんなトンチキな事件は発生しませんので、ご安心くださいね。
しかし、このスタイルは取りにようによっては非常にRPGらしいスタイルではないでしょうか?
と言いますのも、基本となったTRPGを表現する上でこうしたテキストアドベンチャー形式は非常にマッチしていると個人的には思うからです。
ある意味ドラクエスタイルなトップビューを外すことでどこにもないRPGを提唱し、かつアナログゲームらしさを前面に押し出すことに成功している好例と言えるのではないでしょうか?
また、第1回でも述べた通りシナリオが非常に素晴らしい。
これを堪能するにはやはりこの形式が良かったのではないかと推測します。
ええ,言い過ぎですね。
2.お買い物
上記のようなスタイルで進行する以上、本作においてレベルなんて概念はありません。
「やった!これでレベル上げから解放される!」
などと思った諸氏。
いささか待たれよ。
本作では「レベルアップしない=強くならない」というロジックを持っているのです。
では、どのようにキャラクターは強くなっていくのでしょうか?
答えは簡単です。
強くなりたければ強い武器や魔法、サイバーウェアを買えばいいのです!
武器屋(トリプルZ)
魔法屋(十日堂)
闇医者(エンジェルクリニック)
すごくシャドウランらしくて個人的には非常に好感が持てます。*6
しかし、そうなると強化するために幾ばくかの金銭が必要になります。
「ええ!じゃあ、結局お金稼ぎしなきゃいけないじゃん!」
大丈夫です。
本作では、依頼人からしか報酬を受け取れないシステムになっています。
そして、本作にはフリーミッションなどという小洒落たシステムは存在しません。
勘の良い方はお気づきになられていると思いますが、本作では「俺TUEEEEEE!」できません。
ですので、限られた資源で最良のセットを組み上げるという遊び方を強要されます。
3.ステータス
キャラクターのステータスは、基本的にシャドウランTRPGに準じたものになっておりますが、不要なスキルは削られています。
不要なスキルは削られているはずなんですけど、削られていないスキルもほとんど利用しません。
本作で利用するスキルは、〈素手戦闘〉、〈武器戦闘〉、〈小火器〉、〈重火器〉、〈魔術〉の5種類です。
その他にも何やら書かれていますが、全てダミーです。
反面、優れていると感じたのは、サイバーウェア周りでしょうか?
原作ではサイバーウェアごとに設定されたエッセンス消費量をエッセンスから差し引き、キャラクターのエッセンスが0未満にならないように調整すると言うシステムでしたが、今作では全キャラクターに6スロットのサイバーウェアスロットがあります。
理論的にはスロットの限界である6個まで自由にサイバーウェアを移植することができます。*7
ただし、シャーマンであるマオタソはサイバーウェアを移植できません。
上図は誰のサイバーウェアかわかりますか?(初期サイバーウェアを表示)*8
4.戦闘
さて、ここまでテキストアドベンチャー形式で進んできましたが、戦闘だけはグリッドマップ戦闘になります。
さすが「最きょ(ry*9
こんな感じでの戦闘画面になります。
原作で煩雑であった修正値計算はすべてコンピュータがやってくれます。
ので、プレイヤーは口を開けてぼんやりしていても戦闘はできます。
が、本作の戦闘はサイコロふって、目標値以上が何個出たかを評価するシステムです。
キャラクターの能力はこのサイコロの数が増えるかどうかにしか寄与しません。
目標値は行動の内容*10によってのみ決まるので、具体的な戦闘イメージを持つ方*11以外は、全く楽しめない仕様になってます。
また、本作ではチームのメンバーが全て戦闘不能になった場合、ゲームオーバーとなります。
反面、一人でも生き残った状態で勝利すれば、自動的に戦闘不能になったメンバーが復活します。
蘇生パッチで。
誰であっても蘇生パッチで無理やり復活です。
しかも、100%復活します。*12
原作を知る者にとっては、こうポンポン復活されるとなんだか複雑な気持ちになります。
5.呪文
戦闘では呪文を唱えることもできます。
と言っても、マオタソと一部NPCくらいしか呪文を行使することはできません。
まぁ、ぶっちゃけシステム的には、呪文くらいしか魔法使いらしいことしません。
アストラル投射とか、精霊召喚とかできません。
別にそんなことできなくともいいのですよ!
我らがマオタソには、可愛らしいヒロイン像を演じていただければいいのです!
呪文なんて飾りです!*13
とまぁ、そんな魔法使いの見せ場である呪文詠唱ですがとにかく地味です。
マオタソ「マナッボルトォォー」
マオタソ「パァワァァッボルトォォー」
色変わっただけかよ!
いやいやいや、ちゃんと効果も違うので安心して下さいね♪
まぁ、こんな感じで地味なんですけど、この2つの呪文はまだマシです。
地味だってダメージが通るんですから。。。
今、「ん?」と思った方がいらっしゃったと思います。
えーそーです。
このゲームには、バグがあります。
ひとまず次の呪文を御覧ください。
マオタソ「いくわよ!スリープ!」
えーと、一応解説しておきますね。
本作では、どんなに高い達成値を叩き出しても、範囲呪文は必ず外れます。
「そんなアホな〜」
と思われるでしょう。
私も自分が悪いと思って、様々な範囲呪文で何度も試してみました。
でもね、何度やっても成功数は0なんです。
もうバグとしか言いようがない。
でもまぁ、単体呪文はキチンとダメージ通るし、そもそも呪文で一発逆転無理なんでいいんです。
むしろマオタソが失敗する様を想像して、楽しもうじゃありませんか!*14
6.武器
さて、呪文では残念な気持ちになりましたが、やはり主力となるのは火器類に違いありません。*15
スキルに〈手投げ武器〉やら〈射出武器〉やら散見されましたが、
このゲームにそんな物は登場しません。
それはともかくとして、本作では小火器から重火器までと様々な武器が登場しますが、基本的に重たい方が攻撃力も高く設計されています。
反面、反動が大きくて命中しにくくなっています。
が、そんなことはどうでもヨロシ。
やはり、リプレイファンとしてはキャラクターたちが使っていた武器を持たせたいじゃないですか。
そんな訳でここではライトマシンガンであるイングラム・バリアントとアサルトライフルのAK-98を取り上げてみます。
・イングラム・バリアント
イングラム・バリアントと言えば紫雲。
紫雲と言えばグラサンイングラム・バリアント。
それほどに彼を象徴する火器の一つといえるでしょう。
もちろん今作でも登場しますよ!
あれ?
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚ Д゚) …?!
な、なんじゃこりゃ〜!!!
せ、せ、せ、セミ・オートてぇ!*16
ダメージ上がらねぇよ!
8Mのライトマシンガンとかいらねぇよ。
それなのにも関わらず、ガスベンドとか標準装備ってアホなの?バカなの?
これでライトマシンガンとかヘソで茶が沸くよ!
…ま、まぁ、ゲームバランスを考慮してこうなったんでしょうね。
それじゃなかったら納得できねぇよ。
・AK-98
リプレイで六堂がビルに陣取る相手に対してグレネード・ランチャーを打ち込むシーンがあるのですが、あれは爽快でしたね。
あの時使っていたのがAK-97だったか、AK-98だったのか、忘れてしまいましたが、今作ではグレネード・ランチャーが装備されているのがAK-98しかなかったので、これを六堂のそっくりさん*17に使ってもらいましょう。
グレネード・ランチャーで一網打尽だ!
武器を変更してと。
あれ?どうやって使うのかな?
えーと、えーと…
ターン!!!
オイイイイ!コンパイルゥ!!
ターン!!!じゃねぇよ!
グレネード・ランチャー使えなかったら、こんなもんちょっと射程の長いヘビー・ピストルじゃねぇか!
どうやらコンパイルは、私達に範囲攻撃とかさせる気がないらしいです。
させる気がないなら最初から盛り込もうとかしないで欲しい。
というか、なぜテストの段階で誰も気づかなかったんだ。。。
○総括
あーだこーだと書きましたが、ローディングの長さ*18と隠し味程度のバグが気にならなければ、よくできたゲームであると思います。
メガCDにしてはマトリクスとか頑張ってるしね。
ただここまでじっくりと取り組んできて、ふとあの名文句を思い出している自分がいました。
油断するな。
迷わず撃て。
弾を切らすな。
ドラゴンに手を出すな。
───ストリートの警句
メガCDにも手を出すべきじゃなかったのかも知れません。
アサシン クリード リベレーション【CEROレーティング「Z」】 - Xbox360
- 出版社/メーカー: ユービーアイ ソフト
- 発売日: 2011/12/01
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